人の趣味趣向はさまざまで、ゴルファーならクラブ、服装、シューズなどにこだわりを持つのもまた楽しい。私の学生時代からの友人でフットジョイのゴルフシューズを50年近く愛用している人がいる。
初めてその友人の履いているフットジョイを見た当時「何と素敵なゴルフシューズなのだろう」と思った。押し皮がかもしだす表面の細かな凹凸と純白が格調高い品を感じさせた。
彼女はスタイルもよくフットジョイがとても似合っていた。私が履いて似合うかどうかは別として「いつかは私もフットジョイ」と強く思わせる品物だった。
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日本女子アマ選手権で活躍していた堀越百子さん |
こんな思いがあるせいか、最近足元を見て「わっ・素敵」と思えるゴルフシューズが少ない。 デザインよりも履きやすさ、足に楽な機能性重視のものが主流となり運動靴タイプのものも多く目に付く。実際、私がいつも通っているホームコースの売店で購入したものは、安くて履きやすいと言うことだけで、履くことが楽しくなるような素敵なものではなかった。
以前、女子プロゴルフ協会ではゴルフコースへの入場に運動靴を禁止していた。 周りのお客さまが、きちんとした格好で来場しているのにプロの私達が運動靴では失礼だし見た目にもよくないと言うことが理由だった。
しかし、最近のゴルフシューズはシューズの裏を見なければゴルフ用かどうかわからない、傍目には運動靴にしか見えないようなゴルフシューズもある。 自分のこだわりがないと「メーカーの売りに合わせた買い物になってしまう」と思った。
写真のシューズは彼女のものを拝借して撮らせてもらった。 ちなみにフットジョイは米国ツアー選手の65%が使用しているゴルフシューズである。(2位が14%と聞けばその圧倒的シェアーには驚く) デザインは時代と共に変化するものもあるが、オリジナルを今でも愛用している彼女のこだわりには敬服した。

「いつかは私もフットジョイ」と頑張って手には入れたものの、当時の輸入物には私が楽に履ける足幅のものはなかった。少しの間ではあるが多少の痛さを我慢してフットジョイを楽しんだ。まさにネーミング通り、足元を楽しんだ。
まずは履きやすくなければどうにもならないシューズであるが、機能性ばかりでお洒落感がなくては寂しい。
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