この諺、石の上でも三年座り続ければ温まるように、何事も我慢していればいつかは成功するということ。(言葉の百科辞典より) この三年の意味するところを、息の長いトッププレーヤーのスコアの変遷を調べて結果的に3年か、なるほどとうなずいたことがあった。 トーナメントが盛んになりだした1970年代後半から80年代は、女子プロゴルフの黄金時代と言っても良い。お相撲に例えれば、東西両横綱と横綱を脅かす強い大関がいてと言う構図であった。スター選手が揃っていた時代である。
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樋口久子(通算72勝) |
涂阿玉
(通算71勝) | 樋口久子、 涂阿玉、大迫たつ子、岡本綾子、森口祐子、吉川なよ子と言えばゴルフのキャリアの長い方ならご存知だと思う。
吉川なよ子は永久シードにあと一歩の29勝であるが、現在6人いる永久シードのうち5人がこの時代の人達である。ゴルフは他のスポーツより、幅広い年齢層で息が長いことで知られているが、選手寿命も活躍寿命もやり方によってはこれまた長いのである。
先ほど挙げたプレーヤー達は現役時代、賞金ランキングで常時ベストテンに名をつらね、その年月たるもの10年から20年近くになる。 活躍していたプロはどのような足跡をたどってその地位を築いたのか、プロ入り後のスコアで見てみた。
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大迫たつ子(通算45勝) |
米ツアーの賞金女王を祝福される岡本綾子(1987年
) (通算62勝) |
プロ入りしたてのスコアを起点としたところ、黄金時代を築いた樋口・涂阿玉はプロ入り当初からの実力派で、当初の手に入れたいスコアがない。 そこでプロ入り後のデータが取れる大迫たつ子、岡本綾子、森口祐子、吉川なよ子、そして公式戦2勝を含む通算18勝の日蔭温子の5人を対象とした。
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森口祐子(通算41勝) |
日陰温子(通算18勝) |
結論から言うと、5人の共通項としてプロ入り後、平均して3年目に急激に平均ストロークが良くなり、賞金ランキングベストテンに顔を出し始める。 次は6~7年目に再びストロークが向上し、その後はベテランとしての地位を確立しているのである。プロ入りした1年目の平均ストロークはいくつでも関係ない。 それより3年目にどれだけ急激な伸びを見せるかが、その後の活躍につながっていると言うことが見えたのである。 20年も前、パソコンではなく手作業での数字の追い方ではあったが、共通した傾向が見えたことは興味深く、新人プロには初めの3年間の努力がいかに大切かを話したものだった。
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吉川なよ子(通算29勝) |
ちなみに、プロ入りした1年目の平均ストロークは大迫たつ子(82.10)、岡本綾子(77.85)、森口祐子(77.40)、吉川なよ子(83.10)、日蔭温子(81.00)であった。 今注目の宮里藍はアマチュア時代からの活躍で、プロ入り1年目から平均ストロークは70.59、賞金ランキングは堂々の2位だった。3年目のステップはとうの昔に踏んでいた。
掲載写真「日本女子プロゴルフ協会20年の歩み」より |
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