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ごるスタ 桝井映里のゴルフコラム
毎週土曜日更新

第38回 古き良きもの

2007.3.17

今、日本のゴルフ場は大きく様変わりしている。
第一次ゴルフブームから言えばおよそ50年も経過しているのだから当然かもしれない。
合理化を図り安くプレーを提供しているコース、料金は高いがそれなりのものを維持しているコースなどいろいろである。

9番ホール2ndよりハウスを臨む

私は長いことゴルフを続けてきて古き良きものと、新しく合理化されて良くなったもの両方を味わっている。
先週メンバーの友人に誘われ千葉県我孫子市にある我孫子ゴルフ倶楽部に行った。
我孫子GCは昭和5年が開場であるから今年で77年を迎える歴史あるコースである。
フロントのサインを終え、ロッカーに向った。ロッカーの手前にキーカウンターがあり、膨大な数の小さなキーがボードに下げられていた。
ここしばらく見ることがなかった光景に懐かしさと忘れかけていた記憶に戸惑いを覚えた。

ゲスト用も合わせて1000を超えるキーが並ぶボード

以前はこのキーカウンター、ほとんどのゴルフ場にあったものだが、人手を少なくし機械化がすすんだ最近では多くがメモリー式ロッカーに変わってしまった。
ロッカーのことなどどうでも良いではないかと思われるかもしれないが、これには一寸した意味があるのだ。

我孫子GCの並んでいるキーを見て自分のホームコースである飯能GCのキーカウンターでの昔のやり取りを思い出した。メンバーの顔を見れば誰が何番と覚えていて、キーはすでに用意されていた。また、ビジターでたまに訪れる人には、「お久しぶりですねー」と声をかける。キーカウンターに立ち寄ることは、ゴルフ場に行ってからの一連の流れであるが、その中での小さなやり取りがメンバーにもビジターにも心地良い空気を流してくれていた。

我孫子GCはキーカウンターという昔ながらのコミュニケーションの場を残しているのだ。
いいなーと思った。
コースの良さは日本でも屈指であるが、それに似合った細かなサービスも忘れていない。それをサービスと思うか、無駄と思うかは個々の価値観であるが、私にとってはうるおいのある一日だった。

難易度の高いバンカー

   
 

次回更新予定:2007年3月24日

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